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リュックを背負い、ローファーを鳴らして走って逃げる。
かと言って、行く先は決めてないし金もない。
しかたない、あそこに行くか、
「あ、お嬢!!いらっしゃーい!」
『入る、泊めろ』
「ちょ、久しぶりなんだからもっとなんか、こう…感動してよぉ!!」
この振り切ったテンションの馬鹿そうな男は、同級生の桐島ユウ
『なら帰る』
戻ろうとした途端空から大粒の雨、激しく吹き付ける風が冷たい。
「え、ちょ……んもー。なんで神様はお嬢に甘いんだろーね?」
冗談ぽく笑うと、手を引かれて室内へ
「こんな昼間に来るなんてびっくり丸、なに?寂しくて会いに来てくれた?」
『アーホーかー、学校無理だったから来ただけー』
勝手にソファに横たわってマンガを読み始める。無駄に高そうなこのソファは最近はもっぱら、あたし専用。
「ふーん、行けてるだけえらいえろい。ほろよいか、麦酒どっちがい?」
『ウイスキー、林檎漬けたやつ』
「そんなん急に言われてあると思う?選択肢開拓しないでよもぉー!ほんとそういう所…すき…」
そういいながら何本も並んだお酒の瓶から1本を選び出し、グラスに注ぐ。
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