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「ねぇ、」
その声に驚き、伸ばしかけていた手を引っ込めると、淡い光にに包まれながら水の中で普通な顔をしている綺麗な少年がいた。
『君は…』
ま、まずい。
ついに欲望が抑えきれずにどうしてもウズウズしてしまって、電話ボックスの扉に手をかける、次に瞬きした瞬間、水が溢れ出し、少年はあたしの胸に倒れ込んだ。
「…」
『意識、ある?』
呼びかけても返事は無くて、そーだ、応援を呼ぼう。マドカちゃんならあたしが携帯ならせば2秒でパトカー飛ばしてくるからね
「おい、お嬢、タクシーみたいにパトカー呼ぶなよマジで…」
『これ、拾った』
「はぁ!?これって、男の子?!気失ってるし、びしょ濡れだし、ほんとに傘もささないで何してんだよ…」
『極道の息子なんだからこんくらいできゃーきゃー言わないの』
「いや、そんなこと言ってもなぁ……」
『よかったじゃない、警察に顔が利く極道のお家は』
「道を外してるのは、僕のポリシーに反してる」
『酒は飲むくせに』
「ちょっとなら体にいいんだよ」
そんなこと言いながらも気絶してるこの子をさっさとパトカーの中に詰め込んで何事も無かったかのようにパトカーに乗り込む
「帰りますよ…お嬢」
『ん、帰る。』
助手席に乗り込んで雨が強まる街をぼんやり眺めていつものボロアパートに帰る
「さっきの子、俺が寝かしといたよー」
『ありがと、ユウ』
「なんか呑む?」
『んー、強めのハイボールのみたい』
「あれ?なんか疲れてんの?」
『べーつにー』
「あそ、」
『ねぇー』
「ん?」
『学校、辞めようかな』
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