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眠りから目を覚ますとカッコいいとまでは言えないまでも、普通よりはいい方かなーという感じのやつに唇を奪われていた。
え?
どういう状況?
そいつは私に向かって言った。
「君は悪い魔法使いの呪いによって長い間、眠らされていたんだよ」
私は軽くパニックを起こしながら言った。
「これ!何の冗談よーーー!!!」
えっ!!!!
何これ?何これ?何これ?
私は再度、怒鳴った。
「えー!今、何が起きてるの?」
そいつはまたも同じようなことを言う。
「だから、悪い魔法使いが………」
あまりに訳の分からないことを言うので聞き返す。
「それ何の冗談?何の学芸会?」
するとそいつもこう返す。
「学芸会?何の話をしているの?」
私はより腹が立ち、こう言ってやった。
「だから、何の学芸会かって聞いてるの!!!」
そしたら、そいつはこう言う。
「だから、君は悪い魔法使いに…」
私の言葉は更に荒くなり、こう怒鳴った。
「悪い魔法使いって何よ?何の話をしてるの?」
そいつは言った。
「だから、聞いてよ。君は本当に悪い魔法使いに長い間眠らされていたんだ!」
私はかなり機嫌を悪くしながら言った。
「何よそれ?馬鹿なことを言わないでよ!」
そいつも応戦するようにこう言う。
「だから、聞いて!君は悪い魔法使いに眠らされて何年も何年も眠らされていたんだ」
私の怒りは頂点に達し、こう言った。
「もうちょっと勘弁して~何よこれ?ふざけないでくれる?」
彼がふざけていないこと。
私は本当に不思議な世界に迷い込み、長い間眠らされていたこと。
そして眠りから覚めるには本当にそいつのキスが必要だったこと。
それらの話をちゃんと理解することが出来るようになったのは、この喧嘩をした何日間も後の話だった。
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