111人が本棚に入れています
本棚に追加
絵の具混ぜ遊びの中でわたしは、自分の色に大好きだった母の名を使った色を混ぜた。
藍と緋色は混ざり合った瞬間、どす黒く汚い色へと変貌した。
大好きな母の色が、わたしの色を得も言われぬ色に変えた事はショックだった。
夢中でやっていた絵の具遊びの熱はそこで一気に冷めた。
わたしの色は、生まれ落ちたその瞬間から迷う運命にあったのかもしれない。
永遠の二番目でいいなんていうポリシーは、自身の心に言い聞かせてきた、わたしがわたしの為に吐く最大の嘘だった。
永遠の二番目なんてものはそもそも存在しない。
二番目なんて都合のよい存在でしかない。
最初のコメントを投稿しよう!