エピローグ

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 わたしは、負けた。  改めてその事実を噛み締めてわたしは前を向く。 「一人の男を愛し抜く自信のない女は、一番になんてなれない」  誰とはなしに口にした言葉に、葵は「え?」と聞き返した。 わたしは「なんでもない、独り言」と答えて笑った。 「ねえ葵、次の婚活パーティーはいつ、どこ?」  いきなりのわたしの言葉に葵は意表を突かれて後退る。 「ど、どうしたの、いきなり」  わたしは拳を握り、不敵な笑みを見せた。 「行くよ、闘いに! 誰かの一番になる闘いに!」
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