帰路にて・・・・・・

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「・・・・・・ん? 何で?」 「理由は、ニュースを見れば分かるよ。 私が色々言っても、効果がないみたいだから・・・・・・ あ! でもこれだけは先に言っとくね。 この辺りはね、治安は良いんだよ。 だから皆、市場を開いて何とか前向きに生きてるんだ。 あなたの両親は農村へ出稼ぎに行ったけど、あなた一人で何とかやっていけてるもんね」 「の、農村に? 出稼ぎ!?」 私は耳を疑っ た。 普通、農村からこういう都会に来るのではないのか? と思ったが、彼女は続ける。 「・・・・・・うん。そうなんだよ。 農作業を手伝って、お米や野菜を分けてもらうの。 そういう時代なんだよ・・・・・・」 「なんで!? お金、こんなにあるのに・・・・・・!」 しかし、彼女は私の質問に、正確に答えはしなかった。 「そう。集めやすい時期がね、あったんだよ。 その時あなた、すごく頑張って集めてたものね・・・・・・」 そうこうする内、我が家が間近に迫ってきた。 「さぁ。安心して、お家でゆっくり考えて。 そろそろ、現実を受け止めようね」 「な、何? 現実って・・・・・・!」 「うん・・・・・・だからさ・・・・・・あとはニュースで! あと、今日はあんな物しかあげられなくてごめんね! でも食べられるから! 頑張って生きようね!」 そう言うと彼女は、 「私、店の手伝いがあるから」 と言って帰って行った。
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