愛する気持ち

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すると、横からミンジュンさんが、 「実桜どのはいつも可愛らしいですが、今日はまた一段と可愛らしいうえにお美しいですね。とてもお似合いです」 と、イケメンスマイルでまた歯の浮くようなセリフをサラリと言う。 「もうミンジュンさん、恥ずかしいですからやめてくださいー」 私は真っ赤になりながら両手で顔を完全に隠した。 そんな私たちのやりとりをヨンウォン皇子が静かに見ていた。 私はヨンウォン皇子にも頭を下げて挨拶をした。 「皇子様、お久しぶりです」 すると皇子は「ああ」とだけ言葉を発し、すぐに視線をそらした。 そして、そのままミンジュンさんの方を向き、 「そろそろ祭りに出かけるとするか」 と、素っ気なく告げた。 (えっ? 皇子様?) いつもと違う皇子の態度に、私は理由が分からず窺うように皇子の顔を見る。 だけど、皇子は私に視線を合わせてくれることはなかった。 ミンジュンさんはヨンウォン皇子の方を向いて軽く頷くと、私とソユンさんの方へ視線を移し、 「では、お祭りに出かけましょうか」 と言ってニッコリと微笑んだ。 都の市場へと向かう間、私はヨンウォン皇子の素っ気なさがとても気になって仕方がなかった。 いつもなら笑顔で「実桜、久しぶりだな」とか、「元気だったか?」と声をかけてくれるのに、今日は全く笑うこともなく「ああ」と一言だけ言葉を発しただけで、機嫌が悪いのかなんか素っ気ない。 皇子、どうしたんだろう…。 なんだかいつもの皇子と違う気がするけど。 私の少し前を歩いている皇子の後ろ姿からはどんな様子なのか窺うことはできないけれど、皇子は隣を歩くミンジュンさんとお話することもなく、ただ前だけを向いて歩いている。 お祭りが好きじゃないのかな? もしかして、来たくなかったとか? あっ!もしかして…。 ソユンさんと婚姻するんだもんね。 ほんとはソユンさんと2人でお祭りに行きたかったのに、私がソユンさんを誘ったりしたからだ。 だから機嫌が悪かったんだ。 先ほどの皇子の素っ気ない態度の原因が自分だったのだと分かり、一気に落ち込んでしまう。 瞬く間に申し訳ない気持ちでいっぱいになってきた。 あー、どうしよう…。 ため息をつきながら、へこんで浮かない顔をしていると、ソユンさんが横から声をかけてきた。
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