愛する気持ち

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「実桜さま、どうかされましたか?」 ソユンさんが心配そうに私の顔を見つめる。 「あっ、ううん。大丈夫。初めて見るお祭りだからなんだか緊張しちゃって…」 私は首を左右に振りながらソユンさんに向けて無理やり笑顔を作った。 (ソユンさん、ごめんね。私のせいで皇子と2人でお祭りに来れなくなってしまって…) 私は心の中で2人に 『ごめんなさい』 と謝りながら、重い足取りでお祭りへ向かって歩いて行った。 都の市場で開催されている祭りは、想像の域をはるかに超えたとても華やかで美しいものだった。 ピンクや水色、赤や黄緑、青や黄色といった色とりどりの美しい提灯が数えきれないほどたくさん飾られている。 そして、それぞれの提灯の色からふんわりと浮かびあがる柔らかな灯りが深い濃紺の夜空に映え、まるで別の世界にいるような幻想的な美しさだった。 「すっごい…。こんなお祭り見たことない…」 私は見たことのない数の提灯と煌く灯りの美しさに、ただただ感動していた。 ソユンさんも同じように目をキラキラと輝かせその美しい風景に吸い込まれている。 ヨンウォン皇子もミンジュンさんも、その輝きを放つ灯りの美しさに魅せられていた。 また道端では煌びやかな衣装を着た女性たちがしなやかに舞を舞っていたり、太鼓や笛の祭囃子に合わせて獅子舞のようなものが賑やかに飛び跳ねながら舞い踊っている。 人々は立ち止まりながら楽しそうにその舞を見物したり、おいしそうにお団子を頬張ったり、上機嫌でお酒を飲んだりしていた。 私たちは先にミランさんに頼まれていたお餅を買い、そのままお祭りの賑やかな雰囲気を味わいながら市場を歩いていた。 「ソユンさん、見てー! 可愛い靴がたくさん飾ってあるー」 「ほんと。とても素敵な靴ばかりですね」 「あっ、こっちのお店には食器があるー。この食器可愛いー」 「実桜さま、この花柄の食器も素敵ですよ」 「あっ、ほんとだー。これも可愛いー」 私は気になるお店を見つけるごとにソユンさんの手を引っ張り、一緒にお店の品物を見て歩いた。
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