愛する気持ち

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ソユンさんも楽しそうにそれぞれのお店で品物を手に取りながら眺めている。 あー、すごく楽しい。 こんな風に女子同士で楽しい時間を過ごすのはいつぶりだろう。 優里とは学校の帰りにスタバやマックに寄って帰ったり、一緒に洋服を見に行ったりしていたけれど、この国に来てからはそんなことは当然あるわけもなくて。 私は久しぶりに女性同士でこんな風に過ごせることが嬉しくて、皇子やミンジュンさんに気遣うことなどすっかり忘れ、ソユンさんと一緒に夢中になっていろんなお店を見てまわっていた。 「あっ、簪屋さんだ。ソユンさん、今度はあそこのお店を一緒に見てみましょー」 私は簪や首飾りなどが並べられた宝飾品屋を見つけ、片手でそのお店を指さしながら、少し興奮気味にソユンさんの方へ顔を向けた。 ソユンさんもうれしそうな笑顔を見せて大きく頷いた。 宝飾品屋の前には大きなテーブルが2つ並べられ、若い女性たちが目を輝かせながらいろいろな宝飾品を手に取って眺めていた。 翡翠やサンゴのような丸い飾り玉がついた一本刺しの簪や、桜や牡丹などの蒔絵調の花模様などが書かれたバチ型の簪、桔梗や藤、菜の花や紫陽花など季節の花をあしらった花簪などが等間隔に整列されて置いてある。 また、美しい色合いの石がたくさん連なった首飾りや、腕輪なども置いてあった。 「ソユンさん、これ見て! すごく可愛いー」 私はトンボ玉のような薄いピンク色の丸い玉がついた簪を手に取り、ソユンさんに見せた。 「わぁー、素敵な色の簪ですね」 「ソユンさんにはこの簪が似合いそう! 」 「いろんな色の桔梗の花がたくさん合わさっていてとっても可愛い簪ですね」 「そう、この淡い色の花がすっごく優しい感じがして、まるでソユンさんみたい」 私は白やピンク、紫色の桔梗の花があしらわれた花簪を手に取り、ソユンさんの髪の毛にそっと挿してみる。 「うん。やっぱりソユンさんにすっごく似合う」 「実桜さま、ありがとうございます」 ソユンさんは恥ずかしそうに微笑みながら頬をポッと赤く染めた。
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