愛する気持ち

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「お、皇子様、何をするんですか?」 「なぜミンジュンのそばばかり行く」 「えっ?」 思いもよらない質問に、私は驚いてヨンウォン皇子の顔を見る。 「そんな化粧をしてミンジュンを誘っているのか?」 皇子は私に苛立っているような視線を向け、語気を強めた。 「えっ? 誘う?」 「化粧をしてミンジュンを誘っているのかと聞いているのだ」 「な、何を言ってるんですか? 全然違います。このお化粧はミランさんがしてくれたんです」 「ミンジュンと祭りに行く約束をしていたではないか」 「そ、それはミランさんが、私がお祭りを見たことないから見せてくれようとしてミンジュンさんに頼んでくれたんです」 「ではその簪はなんだ? ミンジュンに挿してもらっていたではないか」 皇子は私の頭に視線を移し、先ほどミンジュンさんが挿してくれた菜の花の簪を顎で示した。 「こ、これは、ミンジュンさんが私に似合いそうだからって」 「ミンジュンのことが好きなのか?」 「ち、違います…」 私は皇子の態度に戸惑いながらも小刻みに首を振った。 皇子は私の言っていることは本当のことなのか? と疑うような視線を向け、そのまま黙り込んだ。 皇子に冷たい視線を向けられたまま、なんとも言えない不穏な空気が流れる。 私はこの空気にいたたまれず、 「お、皇子様、あちらのテーブルに戻りますから。早く皇子様も一緒に来てください」 と、皇子に掴まれていた手を振りはらい、そのまま皇子に背を向けた。 「実桜、行くな」 怒りを抑えたような低い声が斜め上から降り注ぐ。 そして、皇子がまた私の手首をガシッと掴んだ。 「皇子様、手を放してください」 「いや。放さぬ」 皇子はそう言うと、掴んでいる手にさらに力を入れた。 皇子に掴まれた手首がじんじんと痺れるように熱を帯びていく。 急に胸の奥が締めつけられるように苦しくなり始めた。 なぜかじわじわと目に涙が浮かんでくる。 私は皇子の方へ振り返った。
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