愛する気持ち

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それを見た瞬間、ヨンウォン皇子とミンジュンさんも腰につけていた剣を鞘から素早く抜いた。 剣が重なる金属音が幾度となく鳴り響き、2人とも鮮やかな剣さばきでナイフを持って襲いかかってくる男たちをかわしていく。 だが今回は人数も多いせいか男たちもかなり手強く、なかなか倒れない。 ヨンウォン皇子は男たちをかわしながら絡まれていた親子の近くへと行き、逃がそうとしている。 私とソユンさんは目の前で繰り広げられる戦闘に、固唾を呑み、ハラハラとしながら見守っていた。 「早く、今のうちに…。早く逃げろ」 ヨンウォン皇子が母親と小さな女の子にそう告げる。 母親は皇子に「ありがとうございます」 と頭を下げたあと、女の子の手を握り、逃げようと走り始めた。 その時、母親に手を握られていた女の子の手が離れ、躓いてこけてしまった。 「ヘウンー!」 母親が女の子の名前を叫ぶ。 その声にヨンウォン皇子が後ろを向き、女の子を助けようとして気を取られてしまう。 その時だった。 「わりゃー。死ねーーー!」 リーダー格の男がナイフを振りかざしながら、背を向けているヨンウォン皇子に切りかかった。 「ヨンウォン、危ないー!!!」 ミンジュンさんがそれに気づき、男を制止しようと走ってくるが、間に合いそうにない。 (ヨンウォン皇子が危ない…) 次の瞬間、私はその男からヨンウォン皇子の身を守るように、前へ飛び出した。 (だめー!絶対にだめーーー!) 皇子に向かって走りながら何度も心の中で叫び続ける。 皇子の背中に覆いかぶさった瞬間。 バサッー。 鈍い音がした。 背中に何か冷たいものが触れた…と感じた。 それと同時に、言いようのないひどい激痛が身体の中を走った。
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