愛しいひと

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***** 私は夢を見ていた。 「実桜、どこにいたんだ? パパとママがどれだけ心配して探し回ったと思ってるんだ?」 「実桜、本当に実桜なのね。パパとママは随分と実桜を探したのよ。事故にあったんじゃないのか、誘拐されたんじゃないのかって…。本当に心配で仕方なかったんだから…」 パパとママが私に手を伸ばし、涙を流しながら喜んでいる。 「パパ、ママ…。心配かけてごめんなさい…」 「探しても探しても見つからないし、もう二度と会えないと思ってたんだから…。実桜、いらっしゃい。早くお家に帰るわよ」 「ごめんなさい。本当にごめんなさい…」 私はパパとママに謝りながら、2人の手を掴もうと自分の手を伸ばした。 すると。 「実桜…、実桜…」 どこからか私の名前を呼ぶ声が聞こえる。 どこか懐かしい、愛しい声。 「実桜…、実桜…」 何度も何度も私の名前を呼んでいる。 (あっ、この声は…) 私は急いできょろきょろと辺りを見渡した。
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