母からの手紙

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***** ボクシムが帰ったあと、ヨンウォンはしばらく呆然としていた。 何が起こったのか未だに信じられなかった。 ボクシムが持ってきた、突然の母からの手紙。 それは全く思いもしなかった驚くべきものだった。 母がこのような手紙を自分に残していてくれていたとは。 母の記憶は本当に薄っすらとしか覚えていない。 いつも穏やかに微笑んでいて、とても優しい人だったということだけだ。 ボクシムが持ってきた手紙に目をやると、表に 『ヨンウォン皇子へ』 と書かれてあった。 初めて目にする母が書いた文字。 それはとても凛とした美しい文字だった。 母はこのような美しい文字を書いていた人だったのか…。 ほとんど記憶にない母の顔をどうにか思い出すように、ヨンウォンは目を閉じた。 ヨンウォンに向けて穏やかに微笑む母の顔がぼんやりと浮かぶ。 ヨンウォンは閉じていた目を開き、その母の微笑みに応えるように、ふっと笑みを浮かべた。 そして手紙を手に取り、ゆっくりと封を開けた。 自分に向けてどんなことが書かれてあるのか、ドクンドクンと鼓動が早くなる。 封の中に収められていた手紙を開くと、ぎっしりと美しい文字が綴られていた。
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