シンファの国へ

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私は何がどうなっているのか分からず、完全に頭の中の思考回路がストップしてしまった。 (実桜、落ち着いて。落ち着いて…) 自分に言い聞かせるようにギュッと目を瞑り、両手を胸に当てて気持ちを落ち着かせ、もう一度頭の中で考える。 多分、私は夢を見てるんだ。 さっき気を失ってしまったから、まだ夢を見てるんだ。 これは夢の中の出来事で、目を開けたら桜守神社の…はず…。 私はギュッと閉じていた目をゆっくりと開けた。 目の前にいたのは。 さっきと変わらず、おじいさんとイケメンの男性で。 「なんで…。どうして…」 私は呆然としながらガックリと肩を落として下を向き、その場に座りこんだ。 「大丈夫ですか?」 頭の上で心配そうに伺う男性の声がする。 だけど、この理由の分からない状況に何も言葉が出てこない。 私は何を話したらよいのか、どうしたらよいのか全くわからなかった。 どんどん喪失感に覆われていき、目の前が真っ暗になっていく。 「大丈夫ですから。落ち着いてゆっくりでいいですから、ここに来たいきさつを話してもらえますか?」 優しくて穏やかな声が頭上から降り注ぐ。 私はゆっくりと顔を上げた。 イケメンの男性と視線がぶつかる。 こんな目の前が真っ暗になっているというのに、見惚れてしまいそうな整ったルックスだ。 その男性は心配そうな顔をして私を見ている。 ほんの少し落ち着きを取り戻してきた私は、そのイケメンの男性とおじいさんに、さっきまでの出来事を話し始めた。
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