おみくじのお告げ

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「ごめんごめん。あまりにも可愛すぎてさー。っていうか、実桜って昔から純情っていうか、乙女っていうか、ピュアで変わらないよねー」 と言いながら、優里はまだ涙を出しながら笑っている。 親友でもある中野優里とは中学1年の時からの友達だ。 私たちが通う松泉女子学園は中高一貫の私立校で、私も優里も中学受験をして同じクラスになった。 なので付き合いも6年目ともなると、お互いの性格はよく分かっている。 ふんわりのんびりした雰囲気の私とは違い、社交的で明るい優里は誰からも好かれ、同級生とは思えないほどしっかりしている。 背が高く目鼻立ちのはっきりとした美人で、同級生でありながら姉のような存在だ。 「あのね実桜、いい? 彼氏を作るには、まず神様にお願いする前に行動しなきゃ。自分から告白するとか、誰かに紹介してもらうとか。あっ、そうそう、実桜がその気なら、涼介の友達に誰かいい人いないか聞いてみるけど?」 優里は茶目っ気たっぷりの顔で私にニコッと笑顔を向けた。 涼介とは優里の彼氏で、隣町の男子校に通うバレーボールが得意な背の高いスポーツマン。 全国大会にも出場する強豪校のキャプテンをしている。 「ううん。大丈夫。ありがと優里」 私は小さく首を横に振った。 行動するって言ったって、自分から告白するなんてそんなの無理だ。 緊張して絶対にできないし、それよりなにより、好きな人がいないんだから。 それに紹介なんてもっと無理だ。 知らない男の人と何を話していいかわからないし、話したところでその人のことを好きになれるかもわからない。 もし好きになれなかった場合、断るのだって大変だし、第一、優里と涼介くんに迷惑がかかる。 っていうか私、彼氏を作ることより、まず好きな人を作ることの方が先じゃん。 あー、なんで気づかなかったんだろう。 これじゃあ、どんなに神様にお願いしたところで彼氏なんてできっこないじゃんかー。 「はぁぁぁー」 根本的な間違いに気づいた私は、両手で顔を覆い小さく溜息をついた。 あー、すっごく凹む。 そんな溜息を漏らす私を見て、優里が何かを思い出したようにパチンと両手を叩いた。
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