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「お礼ですか? お礼だなんてとんでもないです。私は市場が見たくてただついてきただけですから。いつもボクシム先生やミランさんやミンジュンさんにはお世話になっているので、逆に私の方がお礼をしたいくらいです」
私は胸の前で両手を振りながら、ミンジュンさんに大丈夫ですとアピールする。
そんな私を見ながらミンジュンさんは、
「実桜どのは姿だけではなく、心も美しい方ですね」
と、さわやかな笑顔を向けた。
「えっ…」
初めて男の人からそんなことを言われ、びっくりして目がまんまるになる。
こんなイケメンな顔して、こんな言葉をサラリと言うなんて、なんという反則技だ。
こんなセリフを言う人って、テレビドラマや漫画の主人公くらいしか見たことないし。
わぁー、顔から火が出てくるじゃん。
「そっ、そんなことないです。それに、ボクシム先生やミランさんにはミンジュンさんと一緒に薬草を買いに行ってきますとしか言ってきてないし、きっと夕食の準備もされてると思います」
私は頬が真っ赤になるのを感じながら、大きく首を横に振った。
「ボクシム先生には薬草を買ったあと食事をして帰ることは伝えていますからその心配は大丈夫ですよ。ぜひ食事をしていきましょう。こちらの食堂の定食はとてもおいしいんです」
結局私はミンジュンさんに勧められるまま、ミンジュンさんと一緒に食事をして帰ることになった。
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