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ミンジュンさんが定食と言っていたので、私はてっきりハンバーグ定食とか、焼き魚定食のような定食を思い描いていたのだけれど。
「こっ、これが定食ですか? すごい数…」
テーブルに並べられた料理を見て、私は驚いて目を見張った。
それは私が想像していた定食とは全く違っていた。
まずはおかずの品数。
切干大根の和え物やかぼちゃの炒め物、茄子の味噌炒め、ホウレン草の胡麻和え、キノコの和え物に、ききょう根の和え物、焼き魚…とテーブルいっぱいに料理が並べられ、続いてお味噌汁、米や栗、キノコや松の実などが入った釜飯がやってきた。
テーブルの隙間が見えなくなるほどに並んだ料理を見てびっくりしている私を見ながら、ミンジュンさんは楽しそうな顔で微笑んでいる。
「さあどうぞ。食べてみてください」
そう言って箸を手に取り、私に渡してくれた。
渡された箸を受け取り、私は大好きなかぼちゃの炒め物に箸をのばして口に入れると。
「おっ、おいしー」
あまりのおいしさに私はまたまた目を丸くした。
「どうですか? なかなかおいしいでしょう?」
「はい。ほんとにおいしいです」
ホクホクとした食感のかぼちゃは、まるで栗のようにこっくりと甘かった。
かぼちゃだけでなく他の料理も本当においしくて、口に入れるたびに自然と笑みがこぼれてくる。
ミンジュンさんも顔を綻ばせながら、おいしそうに料理を口に運んでいた。
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