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ヨンウォンはごろつきたちが周りにいないかを確認しながら、店から少し離れたところで実桜を見ていた。
さっきまで涙を流しながら自分に反論していた実桜が、とても嬉しそうな表情で簪や宝飾品を見ている。
瞳をキラキラとさせながら品物を手にとっては眺め、揺らし、光にかざしたりと満足そうな顔をして微笑んでいる。
そんな実桜の姿を見ながら、ヨンウォンは目を細めてふふっと笑った。
(あれだけ断っていたのに喜んで見ているではないか)
長い髪を結んでいる実桜の赤いリボンが、風でひらひらと揺れていた。
そんな実桜の姿にヨンウォンはなぜか心が和んでいた。
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