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王宮でのお茶会
季節も夏本番となり、本格的な暑さが続くようになってきた。
蝉たちの鳴き声が日に日に賑やかに響き、夏の暑さをより一層演出している。
そんなある日、ひとりの可愛らしい女の子が2人の年配の女性と一緒にボクシム先生の屋敷へとやってきた。
その可愛らしい女の子は、ミランさんから聞いていたサラ皇女で、2人の年配の女性は皇女付きの侍女だった。
サラ皇女は最初、ボクシム先生の屋敷に今まで会ったことのない私がいることに驚いていたけれど、一緒にお話ししたりおやつを食べたりしていたら、私たちはすぐに仲良くなった。
私はひとりっ子だったということもあって、妹ができたみたいでとてもうれしかった。
サラ皇女と仲良くなってからというもの、皇女は頻繁にこの屋敷に遊びに来てくれるようになった。
「実桜さま。ミンジュン様は今日来られてるかしら?」
「ミンジュンさん? 今日はまだ来られてないよ。もうすぐ来られるんじゃないかな」
「あー、よかったー」
サラ皇女は安堵の表情を浮かべ、ふぅーと息を吐き、少し呼吸を整える。
「ねぇねぇ、実桜さま。私、可愛く見えるかな?」
今度は私の顔を見つめて、真剣な表情で聞いてくる。
「皇女様はいつも可愛いよ。とーっても可愛い」
私はにっこりと微笑みながら、両手でサラ皇女の頬を優しくはさんだ。
「ほんと? ほんとに?」
「うん。ほんと可愛い」
サラ皇女の顔が一瞬にして、花のようにぱあっと明るくなる。
そう、サラ皇女はミンジュンさんのことが好きなようで、ここに遊びにくる理由はどうやらミンジュンさんに会いたいからのようだ。
私たちの前だとこんなに元気いっぱいなのに、ミンジュンさんの前だと頬をリンゴのように真っ赤に染めながら恥ずかしそうに話す姿がなんとも可愛くって、ついつい応援したくなっちゃう。
そんな皇女が、お茶会をするから遊びに来てと私を王宮に招待してくれた。
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