王宮でのお茶会

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王宮の中って時代劇のドラマに出てくるようなお城みたいなのかな? すっごく緊張するんだけど。 初めて王宮に入るということで、その日、私は朝から緊張していた。 ちょうどボクシム先生が王宮に用事があるということで、私はボクシム先生と一緒に王宮へと向かった。 王宮はボクシム先生の屋敷からそんなに離れていなくて、歩いて20分くらいの場所にあった。 段々と王宮の門が見えてくる。 大きくそびえ立つ雄大で華麗な門の前に着くと、そこには十数名の屈強そうな警備兵が無表情のまま、右手に刀を携え鋭い目つきで立っていた。 王宮は怪しい者や不審者が入らないように警備がとても厳重で、出入りする者たちが厳しく制限されている。 王宮に入るには、王宮から発行された通行証というものを持っていないと入ることができなかった。 私は事前にサラ皇女から渡された通行証を着物の中から取り出した。 ボクシム先生が門の前に立っている警備兵に、 「今日はヨンウォン皇子様に書物を届けに参りました。この者は私の遠戚の実桜です。サラ皇女様とお約束があります」 と説明し通行証を見せた。 私も慌てて警備兵に頭を下げ、手に持っていた通行証を警備兵に見せる。 私たちが見せた通行証を確認すると、素っ気ない態度で王宮の門の中に手のひらを向けながら、入るように指示した。 初めて目にした王宮。 それは想像していた以上に、とても広かった。 どのくらい? 東京ドーム何個分? と聞かれても、東京ドームに行ったことない私にはそんなのは全く分からなくて。 ただ私に説明できるとすれば、おそらくディズニーランドとディズニーシーを2つ足したくらいの広さは十分にあるんじゃないかなっていうくらい。 そのくらい王宮の中はとても広くて。 煌びやかな建物や広い剣舞場、大きな池やたくさんの木々や花など、初めて目にする王宮の中はただただ驚くばかりだった。 ボクシム先生がサラ皇女が過ごしている建物へと私を連れて行ってくれる。 その場所へと向かいながら、ボクシム先生が少し王宮について説明してくれた。
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