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池の上から見る王宮はまた違った風景に見えた。
王宮の建物はとても絢爛豪華で、色彩はもとより細部にまで彫刻がされていてとても美しかった。
池の周りでは内官や侍女たちが和やかな雰囲気で、ヨンウォン皇子やサラ皇女たちを静観している。
サラ皇女はとっても楽しそうな顔をしてミンジュンさんと話をしている。
ソユンさんは幸せそうな表情で舟を漕いでいるヨンウォン皇子の顔を見つめていた。
私は舟を漕いでくれているソンヨルさんに視線を移した。
穏やかな表情でゆっくりと舟を漕いでいる。
私は無言で舟を漕いでいるソンヨルさんに笑顔を向けながら話しかけた。
「ソンヨルさんはミンジュンさんとヨンウォン皇子様と一緒に武芸を学ばれたんですよね?」
「そうです。ヨンウォンと…、いえ皇子様とミンジュンと私は共に武芸を学んできました」
ヨンウォン皇子と一緒にいてもほとんど話しているのを見たことがないけど、聞いたことには答えてくれるようだ。
そう感じた私はまたソンヨルさんに尋ねた。
「ミンジュンさんは皇子様のことヨンウォンと呼んでいるのに、ソンヨルさんは皇子様と呼ばれるのですか?」
「はい。皇子様は周りの誰もが敬語で話されるので、せめてミンジュンと私だけは一緒に学んだ友として敬語を使うことなく接してほしいと言われるのですが、私は皇子様の護衛武官ですので。皇子様の護衛武官になる前は、ミンジュンと同じように皇子様のことをヨンウォンと呼んでおりました」
「そうだったんですね。だからミンジュンさんは皇子様と親しく話してるんだ」
「はい、そうです」
ソンヨルさんは小さく頷いた。
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