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「わかりました」
部下の者たちは大将の指示に従い、今度は警棒のような短い木の棒で私の腕や足を殴り始めた。
「早く本当のことを言わぬか。此奴め!」
私は何度も腕や足を叩かれ、あまりの激痛に気が遠くなっていくのを感じながら、武官たちに力を振り絞って言った。
「ほんとうに…、呪いも…かけてないし…、殺そうと…してませ…ん…」
「これだけ痛めつけてもまだ言わぬのか。本当にしぶといヤツめ。こいつを牢に入れておけ。明日また尋問する」
武官の大将が部下の者たちにまた指示をした。
部下の者たちは『わかりました』と大将に一礼すると、椅子に縛りつけていた縄を外し『さっさと立て!』と私の身体を引っ張った。
されるがままに連れて行かれ、ドンっと突き飛ばされるように畳一枚分のような小さな部屋の中へ押し込まれた。
私はそのままよろめくように倒れこんだ。
牢屋の中は地面は土のままで、敷物はおろか、敷物に代用できるような藁さえもなかった。
扉は格子状の木枠で、中の様子が監視できるようになっており、逃げることができないように厳重に鍵がかけられている。
耐えがたい痛みに顔を歪めながら、私はゆっくりと壁に寄りかかるようにして座った。
先ほど武官たちに叩かれた腕や足は赤く腫れあがり、もうどこが痛いのか分からないほど全身にジンジンヒリヒリと痛みが走っていた。
傷だらけになった手足を見ながら、何度本当のことを言っても信じてもらえない理不尽さに涙が溢れてくる。
どうして私がこんな目に合わなきゃいけないだろう。
何も悪いことなんてしてないのに。
あのままだと皇子が死んでしまうと思ったから助けただけなのに。
私このままここで死ぬのかな。
パパ、ママ。会いたいよ…。
こんなとこにいたくない…。
お家に帰りたい…。
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