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次の日。
私は牢屋から連れ出され、また尋問が始まった。
今度は昨日の部屋ではなく、処刑場のような広場に連れていかれての尋問だった。
昨日と同じように椅子に座らされ、縄で身体と椅子を縛り付けられる。
周りには眼光の鋭い屈強な体をした多くの武官たちが、私を取り囲んでいた。
「もう一度聞く。お前、皇子様に息を吹きかけて呪い殺そうとしたな」
「していません」
「していないだと? まだ嘘をつくつもりか!」
バシッ。バシッ。バシッ。
昨日とは違い、今度は竹のような長い棒でいきなり身体を叩き始める。
「ぎゃあー」
昨日叩かれて腫れあがった身体をさらに叩くので、私は痛みに耐えきれず、悲鳴のような叫び声をあげた。
「早く言え。皇子様を殺そうとしたな」
「本当に…していません…」
「息を吹きかけたのは呪いをかけたからだろ。早く本当のことを言わぬか!」
「だから…、ほん…とうに…、皇子様を…殺そうなんて…して…いません…。助け…ようと…」
私はどんどん気が遠くなっていくのを感じながら、最後の力を振り絞って答えた。
しっかりと聞こえていた周りの声が段々と小さくなり、遠くに聞こえ始めてくる。
(もうだめ…)
(私ここで死んでしまうんだ…)
もうこの激痛から解放されるのなら、ここで死んでもいいと思い始めていた。
その時-。
「尋問を止めぬかー!」
私が尋問されている広場にヨンウォン皇子の大きな声が響いた。
皇子は怒気を帯びた表情で、尋問している武官の前へと歩いてくる。
ソンヨルさんとヨンウォン皇子の脈拍をはかっていた医官長も一緒だった。
「皇子様」
ヨンウォン皇子の姿を見て武官たちが一斉に頭を下げる。
「早くこの者の縄を解かぬかー!」
皇子は怒りに満ちた声で叫んだ。
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