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「痛っ…い…」
ズキンズキンと感じる身体の痛みで私は目を覚ました。
「目を覚まされましたか?」
医官長が眉根を寄せ、心配そうに窺いながら私の顔を見る。
「ここは…、ここはどこですか?」
「こちらはヨンウォン皇子様のお部屋でございます」
医官長は静かに口を開いた。
皇子の部屋と聞いた私は、起き上がろうと身体に力を入れた。
だけど身体が痛すぎて力が入らない。
医官長のそばにいた2人の医女が私の身体を支えてくれて、ゆっくりと起こしてくれた。
「あ…、ありがとう…ございます」
私が2人の医女にお礼を言うと、医女たちは小さく頭を下げた。
起き上がった私に医官長が、
「これからこの薬草で治療をしていきます。薬草を当てるときにかなり痛みを感じると思いますが、しばらくの間我慢していただけますでしょうか」
そう言って器に入れていた薬草を絞り始めた。
そして医官長と医女が私の腕や足の腫れた部分にゆっくりと薬草を当て、切れて血が滲んでいるところには丁寧に薬を塗ってくれる。
薬草を当てられるたびに言いようのない激痛が走り、薬を塗られるとヒリヒリと沁みる。
「いたっ…。痛い…」
私は顔を歪め、涙を浮かべながら必死に耐えた。
医官長たちは私にこれ以上痛みを感じさせないように配慮しながら、当てた薬草を固定するための布をやんわりと緩く巻いてくれた。
本当にこれは自分の身体なのだろうか?
そう思いたくなるくらい、赤く腫れていた腕や足はいつの間にかどす黒い色へと変化していた。
(こんなに内出血して黒くなってしまって、私の身体、ちゃんときれいに治るのかな?)
女性の身体とは思えないひどい状態に、なんとも言えない思いが胸に込み上げてくる。
(こんな身体じゃ、もう一生結婚なんてできないだろうな…)
そんなことを思いながら腕や足を見ていると、薬草が当てられた部分が次第にひんやりと冷たく感じられてきた。
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