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実桜とミンジュンが帰った後、ヨンウォンは部屋の中でひとり立ち尽くしていた。
そして、実桜の手を握ったり身体を支えたりと甲斐甲斐しく接するミンジュンに対して、苛立ちのような今まで感じたことのない気持ちを感じていた。
ミンジュンなら心配しなくてもきちんと実桜の手当てをしてくれるのは分かっている。
ボクシム先生の屋敷なら安心だということも分かっている。
なのに。
なぜか気持ちがざわついていた。
実桜をこんな目に合わせてしまったのは自分だから、自責の念というものなのだろうか。
でも、どうしてこんなにも気持ちがざわついているのか。
その理由はわからなかった。
ただ、実桜が帰ってしまったヨンウォンの部屋は、灯りが消えたようにどことなく寂しかった。
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