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「わぁー。すっごーいー」
ヨンウォン皇子に連れられてきた場所は、あたり一面にラベンダーの花が咲き乱れるとても美しい花畑だった。
「すっごいたくさんラベンダーが咲いてるー。こんなきれいな景色の場所があったなんて」
私は怖かった馬のことなどすっかり忘れ、驚嘆しながらその場でゆっくりと回り、360度見渡した。
まるで紫色の絨毯を敷き詰めたように花の絨毯が遠くまで延々と続き、どの方向から見ても紫色のラベンダーで埋め尽くされていた。
溜息が出るほどの美しい景色に、眺めているだけでとても幸せな気持ちになってくる。
空を見上げると、抜けるような青い空が広がっていた。
燦燦と降り注ぐオレンジ色の太陽の光が眩しいけど心地いい。
私は目を瞑り、鼻から大きく息を吸い込んだ。
優しいフローラルハーブの香りが広がってくる。
「あー、ラベンダーのすっごくいい匂いー。癒されるー」
ラベンダーの爽やかな香りに癒された後、再び目を開けると、青空の斜め向こうには大きな入道雲がもくもくと立ち昇っていた。
「皇子様、こんな素敵な場所に連れてきてくれてありがとうございます」
私は少し後ろに立っているヨンウォン皇子の方にクルンと振り返り、笑顔を向けた。
「いっ、いや。喜んでくれたのなら良かった」
私が急に振り返ったからか、ヨンウォン皇子は少しぎこちない笑顔で微笑み返す。
そんなぎこちなく微笑む皇子に、私は疑問に思っていたことを尋ねた。
「ところで皇子様、どうしてここに連れてきてくださったのですか?」
「先ほど 『ずっと部屋の中で寝ていたから外の空気が吸いたいし、陽射しも浴びたい』 と言っておったしな」
「んっ?」
首を傾げた私は、数秒後 『あっ!』と叫んだ。
そうだ。思い出した。
私、皇子に言ったなー。
『だって、ずっと動けなくて部屋の中で寝てたんですよ。何にもすることないし、すごーく退屈だったんです。だから久しぶりに外の空気も吸いたいし、陽射しも浴びたいし』
私があんなこと言ったから、皇子がここに連れてきてくれたんだ。
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