ゆうれい彼氏と彼女のわたし

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 目覚めると、死んだはずの彼氏がいた。 「!?」 「(めぐ)、おはよう! 相変わらずの寝相だね!」  爽やかな笑みを讃え、私の上に跨っている。しかし、不思議なことに重みはなかった。 「……えっ、いや、えっ?」  朝一番のサプライズに、脳内真っ白だ。  数秒間、笑顔の彼と向き合ったまま絶句して。更に数秒、やっと現状を把握する。  そうか、これは夢か。それなら辻褄が合う。そうか、それなら寝直して──。  布団を被り直そうとして、再び声が降ってきた。 「あっ、目覚ましめっちゃ鳴ってたけど大丈夫? 今日って高校は……」  その軽率な声に釣られ、死んだ目で時計を見てみる。時刻は、登校予定時間を過ぎていた。 「……大丈夫じゃない! ヤバいと思ったなら起こして!」  勢いよくベッドから飛び出して、制服を取り出すためクローゼットの方へ翻る。  その流れで小指を強打し、そこでやっと、ここが現実世界だと知覚した。
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