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それからの日常は驚くように変わった。
まず、お気に入りのBGMを流しながら
深夜まで起きて気の向くままに執筆をし
そして日の出と共に寝る。
そのBGMはよく巷で流れているポップスの時も
あったし、ヨハネシュトラウスのようなクラシックの時もあった。
その時の気分で音楽を変えることで、
妙に勘が冴えて、物語りの主人公たちが勝手に動き出すこともよくあった。
思い切りモノ書きをした後は、
ゴロンと簡易のソファベッドに横になって
泥のように眠るようになった。
会社勤めしていたころは、
悶々と色んな事が浮かんできて一向に眠れず
そのまま朝を迎えることなんてザラにあったのに、
生活を変えてからはそんな不安定な生活ではなくなった。
今までどこか浮遊していた自分の感覚やカラダが、
小説を書くことで、ハッキリと物事が写り、自分の感覚やカラダそのもののが息を吹き返すのがわかった。
荒川修作じゃないけど、
人のカラダは死なないことが分かった。
夢も見ないような深い眠りに落ちたあと、
起きるのは、いつも大体9時から10時前後。
そのあと窓を開けて空気を入れ替えたあと
新聞を読みながら
ルーティンのように続けている
カフェ・オ・レとトーストした食パンそして、バナナというブランチを食べながら、今日1日のスケジュールを確認する。
投稿サイトエブリスタを見ようか、
お気に入りの書店で本巡りをしようか…
たまに購入しなくても立ち読みスペースのある書店なんかもあるから
お金がない私にとっては有難い。
そうしてスッと目を閉じ、5分間ほど瞑想をして
家を出るのが習慣になった。
瞑想をすると気持ちがクリアになる。
それは、昔心療内科でやってみた森田療法に少し似ている。
「右手が段々と暖かくなる…」
すると本当に右手が暖かくなるから不思議だ。
そうやって今日一日の予定を頭に浮かべ、
時には少し先の自分の騒動に想いを馳せるだけで、
まるで本当にそうなっていくような疑似体験をしていることもあった。
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