出会い

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たしかに湯気だった飲み物は顔まわりを熱くする。 私はテーブルにとどいたカフェ・オ・レを飲みながら、ニヤと笑ってしまった。 「あぁ、こんな時間いいな…」 毎日ギュウギュウ詰の満員電車に揺られて、 毎日働きに出なくてもいいと思うだけで、 こんなに気持ちが楽になるなんて。 その発言がまさに社会不適合者なのかもしれないけど。 その点まゆは、仕事もプライベートも充実させて満喫しているように見える。 私の手元にはないその幸せを少し羨ましくも感じたけれど、 久しぶりにゆったりとした時間を満喫した。 家に帰ると、請求書が来ていた。 今まで、ストレス発散を名目に買っていたちょこちょこした物の請求書。 クレジットって本当に怖い。 特にネットだとワンクリックするだけで あっという間に、紅茶でもカフェ・オ・レでも 服でも買えてしまうから。 お金を使ってるっていう実感が持てない。 それなのに、妙に満足感も得れなくて ネットサーフィンをして血眼になって、 商品をカートに入れてポチっとボタンをクリックするまでのあの高揚感は、クリックをした瞬間になくなってしまう。 そしてまた、次の獲物を探すようにいるか要らないかも分からない商品を血眼になって探すんだ。 不眠症になって、 買い物依存症みたいになって、 初めて自分が病んでることに気づいた。 そう思うと、少しだけこんな自分が情けなくて 涙が出そうになってきた。 家に戻り、朝干した洗濯物を確認すると既に乾いていた。 ベランダを覗くとそこには、どこから迷い混んできたのか一匹の猫がちょこんと座っていた。 私の部屋は2階なのに、 どこから来たのだろう…と不思議に思ったけれど、 隣を見渡すと工場のトタン屋根が見えたので、 きっと隣の屋根伝いに渡ってきたのだろうと思った。
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