再会の雨音

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再会の雨音

 どうして、手を伸ばさなかったのだろう?  離れてしまったその手を、わたしから伸ばせば間に合ったのかもしれないのに。  でも、わたしはその場に立ち尽くしたまま追いかけることさえできなかった。  ただ人波に紛れて小さくなっていく彼の後ろ姿を見送ることしかできなかった。  どうして、あの時……
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