斬斬斬

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 やがて私は、キズナがバイト帰りに連絡をよこさないと、不安に駆られてたまらなくなった。今までは、自分の部屋で彼女がインターホンを鳴らすまで大人しく待てたのに、最近は駅まで迎えに行ってキズナの夜道を共にしないと落ち着かない。キズナはたいてい、ため息をつきながら私の横を歩き、部屋に帰ってきたら、黙ってテレビをつけた。  だから私はキズナを叱った。私がどれだけ彼女を思っているのか知って欲しかった。すると、キズナは私を責めた。 「ミズキちゃん、なんで束縛するの?」  私はキズナの疑問には答えられなかった。私はキズナがつけたテレビ番組に目をそらす。 「私たち、付き合ってるの?」  私はキズナが口にする言葉の意味がわからなかった。私はため息まじりで、彼女の質問に答える。 「付き合っては、ないでしょ」  私はやかましいテレビを消して、トイレに行った。便座にすわって床のすみのトイレットペーパーをながめると、白くてまるくて、少しずつしか自分を失わないから、いいなあ、って思った。
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