いつの間にかに

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「でも、いったいどうやって恐怖を与えずに死ねるんです?」 「死に方は自分から死んでいただいても、他の誰かがあなたをあの世に送っても、どちらでも構いませんよ」 「どっちも怖いじゃないですか」 「それなら、どちらにするかはこちらで決めさせていただいて、あなたにもお伝えしないようにしますね」 「でも」 男はちょっとぞっとした。 「どうせどちらかの方法しかないんです。大丈夫、絶対に怖いとは感じないようにしますから」 「でも、もう少しだけ具体的な話をしていただかないと。逆に落ち着かないんですが」 「その前にこの契約書のサインをお願いします。それに料金の支払いの方を。お話はそれからで」 「分かりました」
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