置き去り

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「大丈夫か?」 「・・・ああ」 体調が急変したようだった。 息が荒れ、顔色も悪い。 「テントを張って、少し休もう」 「いや、ダメだ。今ここで止まったら、吹雪に巻き込まれる」 実際、風は強くなる一方だった。 視界も悪くなっていて、出来るだけ速くここを抜ける必要があった。 「でも」 「絶対に付いて行くから」 だが、天気とともに親友の体調はますます悪くなった。 このままでは。 天気は荒れ、数メートル先さえも見えないくらいになった。 そして、親友は座り込み俺に言った。 「行ってくれ」 「何言ってるんだ。一緒に行くぞ」 「もう俺に力は残っていない」 「馬鹿を言うな」 「分かるだろう。お前には。ここでどうするのが一番いいのか」
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