置き去り

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「せっかく一緒に登ったのに」 「いいじゃないか。それで。満足だよ、お前と登れて。さあ、速く行け。お前まで死んじまったら、この偉業を誰が伝える?」 「それは」 「お前にしか出来ないだろう」 俺は親友を置いて、一人で降りた。 何としてでも絶対に下山する。 それまで、そこで待っていくれよ。 必ず迎えに行くからな。
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