うぬぼれ定理（１２２３～１２６５話）

おうち

その女の子は小学生だった。

本当は2年生だったけど、学校には行けてない。

ここ最近は、長く入院していた。

もう半年以上。

なんだか難しい病気の名前で、女の子もよく分からない。

でも、身体が重たかったりフラフラすることがあったりしたから、自分は元気じゃないんだと思っていた。

たまに鼻から血が出る時もあった。

なかなか血が止まらないことを看護師さんはお薬のせいと言った。

でも、そんな日の夜は、怖くて眠れない。

言い得ぬ恐怖が女の子の心を締め付けた。

そんな時、お母さんを見ると飛び付きたくなる。

きゅっと抱きしめてもらうと、それでなんだか安心した。

お母さんは毎日お見舞いに来てくれる。