おうち

3/6
前へ
/237ページ
次へ
あまりに調子が悪い時は、夜遅くまでいてくれる。 「お母さん」 「なに?」 「私、いつ帰れるの?」 「そうね。もう少ししてからかな」 「どのくらい?」 お母さんは答えに困ってしまう。 本当は今すぐにでも連れて帰りたい。 おうちで一緒にご飯を食べたり、テレビを見たりしたい。 一緒の布団で寝たい。 でも、まだそれは無理だった。 「明日、先生に聞いてみよっか」 「うん」 翌日、お母さんは先生に恐る恐る尋ねた。 「娘はどうなんですか?」 「先日、検査しましたが回復に向かっています。娘さんがつらい治療を頑張った成果です」 「退院出来ますか?」 「これなら、年末にはおうちに帰れると思います」
/237ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加