2人が本棚に入れています
本棚に追加
何度かチャンスはあったけど、男の子は何も言えてなかった。
でも、「ばいばい」と帰る時に言うつもりだった。
そろそろお母さんが帰って来る時間になった。
そういえば、おばあちゃんがいない。
男の子は部屋を探して回った。
すると、おばあちゃんは布団で横になって目をつむっていた。
昼寝でもしているのかな。
珍しいな。
夕陽が差し込む部屋で、男の子は肩を揺すった。
「おばあちゃん」と小さく声を出しながら。
でも、おばあちゃんは目を開けなかった。
最初のコメントを投稿しよう!