『抱いてください』

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 腕の中で身を捩らせる美夕を、楊は空いている片方の腕でしっかりと抱き竦めた。 「美夕」  喘ぐ美夕の顔を、そっと上げさせ自分の方へと向かせた楊は、もう一度軽くキスをして、囁く。 「もう、僕は自分に嘘を吐かないよ。僕と美夕がどんな関係であっても」 「楊君?」  小さく首を傾げた美夕に、楊は優しく微笑んだ。 「僕はもう、美夕の手を離さないって、決めたんだ」 〝僕と美夕の関係〟  サラリと言った楊の言葉は美夕の中に残る。
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