『抱いてください』

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「楊君、どういう意味?」  楊は静かに首を振る。 「美夕は、知らなくていいんだ」  甘く蕩ける口づけが、美夕の脳を痺れさせる。  知らなくてもいいこと等、多分ない。 けれど、その腕が、肌が、指が、唇が。 「愛してる」  その言葉が、美夕を溺れさせる。 「わたしも。わたしもずっと、ずっと楊君を探してた。楊君を、求めてた」  どんな事があったって。
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