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「あー、なんか眠くなってきちまった……。今日、このまま泊まってっちまおうかなー?」
マジかよ――?
俺はうれしさに浮足立ちながらも、またまたクールを気取って、『好きにしろよ』なんてぶっきらぼうに言ってのけてる。
ヤツは満足そうに唇の端をひん曲げながら、
「ふぅん、なら泊まっちゃおうっと。なんせ今日、珍しく張り切ったからな? 疲れちってさぁー」
なんて、余裕ブッこいてやがるのが憎たらしい。
「その前にコレ拭こーぜ。腹がヌルヌルして気持ち悪ィ……」
「やーらしいな、エロ汁まみれ!」
「どっちがよ!」
てめえが――だろ?
いや、イった数だけなら俺の方が上か。
なんだかいろいろ悩んだのがバカらしくなって、心地よく伸びをする。
隣で寝転がる『汗と香水と煙草』の入りまじった胸板に顔を押し付けながら、俺は夢見心地で目を閉じた。
- FIN -
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