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シャツのボタンに手を掛けて、ひとつふたつと外して、平たい胸板をさらして見せた。
鎖骨を伝う銀の細いネックレスが首筋をくすぐって、たったそれだけで背筋がうずく。どんだけ溜まってんだ、俺――
どれだけ我慢し合ってきたんだ、俺ら。
どれだけ意地を張り合ってきたんだろう?
部屋にあがって、テレビをつけて、雑誌をめくって、ゲームにネットに好きなオンガク?
時折、触れ合うくらいのキスをして、淡白なことが格好いいとばかりにクールを気取ってニセの笑顔を交わし合う。
ヤツが帰れば帰ったで、残り香に浸っては一挙一動を思い出し、ガキみたいに頬染めて、抑えていた想いを掻きむしる。
ギリギリまでため込んだ欲情が、行き処を失くしてのたうちまわる。
◇ ◇ ◇
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