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「な、ヤろうぜ――? 今日はお前が上ンなっていいからさぁ……」
ぼうっと天井を見つめながら、独り言のようにつぶやいた。
「――マジ?」
ちょっと荒い吐息をめいっぱい抑えて、未だクールを気取りながらヤツはそう言った。
ゆっくりと俺の上に覆いかぶさる瞬間に、フワッと立ちのぼった煙草の香りに喉が焦げ付きそうになる。
探るように、薄目のままで洒落たつもりのキスをする、ここまではいつもの通り。
既に半勃ち気味のコレとソレとが触れ合って、ベルトの金具が擦れた瞬間に、乾いた金属音が背筋をくすぐる。
ジッパーが下ろされるのも待てなくて、中途半端に開け掛けてる肩先も疼いて、どうしょうもない気分が俺を高みへと押し上げていく。
「何――? もう勃ってんの?」
「悪ィかよ……」
「別に、悪かねえよ」
たわいもない吐息混じりの会話をポツリポツリと互いの耳元に落とし合い、と同時にシャツの上を這う指先が左の突起を撫でた。
たったそれだけで全身がゾクゾク、うねり出す。早くどうにかしてほしくて、呼吸までもが苦しくなる。
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