88人が本棚に入れています
本棚に追加
今、コイツ何つった?
俺は咄嗟に耳を疑った。
一呼吸置いて、この野郎の言葉の意味を想像した途端に、今度は恥ずかしさで全身が茹でダコ状態――
頬も身体も、きっと耳の先まで真っ赤になってるに違いない。
鏡なんぞ見なくても分かるくらいに身体中が火照っていた。
どこにそんな大胆な発想を隠してやがった。
どのツラさげりゃ、そんな卑猥な台詞が出てくんだよ……!
俺は極度の羞恥心に面喰らいながらも、脳裏の隅でこいつにいやらしく嬲られている自分を想像しては、期待と歓喜にまみれて堕ちていくのを感じていた。
そうだ、こいつになら何されたっていい。むしろそれを望んでるだなんて。
けど、どうあがいたって俺には口が裂けても言えねえ台詞だろう――
「なあ、どうなのよ? やっぱマニアックなのは引く? 正直、勘弁?」
首筋をしっとりとした厚みのある唇で撫でられながら、欲情マックスみてえな訊き方で吐息攻め。こんなのは思いっきり反則だ。
ダメとか嫌とか勘弁とか、そういう以前の問題。フェイント、なんて台詞じゃ片付けられない突然の仕打ち。
返答に詰まる俺に焦れたのか、戸惑うヒマもないままに、逸った吐息で剥かれた肌を舐め上げられた。
最初のコメントを投稿しよう!