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余裕の無えツラで、今更ラブホにでも行こうなんて匂わせてたって、それこそ反則だ。
そんなことよりコイツの切羽詰まった表情が堪らない。
エロいことで頭がいっぱいなこのツラを見ているだけで持っていかれそうになって、全身がゾクゾクと震えた。
そんな俺の高まりを知ってか知らずか、
「今まで黙ってたけどさー、俺、こーゆーのちょっと夢だったんだよな」
荒い吐息を飲み込むようにヤツは言った。
「――は?」
「んー、暴露しちまうとさ、マスかく時にいっつもこんなシチュを想像しながらヤってた……なんつったら引く?」
「……ッ、こんなシチュって……何?」
「え……? だからその……お前ンこと、めちゃめちゃにするシチュっての?」
逸った台詞と同時に、つぅ、と腹の筋をなぞられて思わずのけぞった。
この野郎、冷めた顔しながらそんなことを考えてやがったのかと思うだけで再び全身が熱を持つ。
「何、ヘンタイみてえなこと抜かしてんだバカッ……! 普段はすっげースカしてるくせによ」
思わず憎まれ口がついて出る。