2、回想 ※ユーリス視点

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 そう思いながらユーリスがしげしげと彼女を見つめていると、また「ああっ!」と彼女は大声をあげた。そうして掛布をずらして自分の体を確認し、ついで腰ほどまである長い髪の毛を手ですくい…… 「私のこと……女に見える?」  そう聞いてきた。 「……もちろん」    女性以外になんだと言うのか。ユーリスがうなずくと、彼女は「お兄……じゃない、シセ!?」と宙に向かって叫んだ。 「シセ?」  その名前がここで出て来るとは思わず、ユーリスは目を見開いた。 「君はシセの……となるとシアンもかな。あの二人の知り合い?」 「知り合いっていうか……その……」  どうにも歯切れが悪い。  彼女は視線を様々なところにさまよわせて、どうやら時間を稼いでいるようだ。そこに何かの匂いを感じて、ユーリスは切り込んだ。 「シアンとシセは、昨日俺と飲んでいたんだけれど。二人が無事に帰れたか知ってる?」 「え? ああ……うん……多分」 「多分?」 「ええと……ええ……」  おどおどしている彼女が、何をユーリスに隠しているのか。  少なくとも、ユーリスよりは事情を知っているようだ。ほんのすこしの糸口だとしても、ないよりは良い。    何を聞けば、答えてくれるだろうか。  それを考えているユーリスを、彼女はじっとその大きな目で見つめて、やがて「ごめんなさい!!」と頭を下げた。 「え?」 「ごめんなさい、ユーリス! 私、シアンなの」     
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