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ユーリスはふうとため息をついて「とりあえず順を追って話すよ。……リデルは、いつも俺が王都で会っている双子のことは覚えてるか?」と声を切り替えた。
「……シアンとシセだっけ?」
「そう」
それはここ2年ほどの間にユーリスが王都で親しくなった、双子の少年の名前だった。
身につけるものの高級感から、おそらくどこかの貴族の子息だろうとユーリスはにらんでいるらしい。毎回魔石をいくつも購入してくれるお得意様で、人懐こい二人なのだそうだ。
「大事な話があるっていうから、夜一緒に酒場で飲んだんだよ」
「え、未成年じゃないの?」
「聞いたら、先月18歳になったんだってさ。酒を飲んでみたいっていうから軽めのやつを飲ませてたんだけど……俺の方が妙に酒がまわってきて、気づいたら上の部屋のベッドに寝てた」
「……まさか、そこに?」
リデルの問いかけに、ユーリスは真面目な表情でうなずいた。
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