第2章 生の証し

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波打つ大地を、巨大な魔獣の足で踏み鎮めるかのような作用を発揮する。 その効力の範囲も広大だ。 発動と同時に、セレの胸には激痛が走った。心臓が悲鳴を上げている。 「まだだ…もう少し…」 全身が酸素不足となり、意識が遠のく。 …あと1分…()て!… セレの瞳に最後に映ったのは、窓から見えるロストークの美しい山並みだった。 心からも身体からも力が抜けてゆく… だが、大地の振動を抑えつけた手応えは感じた。 …もう大丈夫だ…王都も運河も…町並みも…父上、母上、ヤール… セレが崩れ落ちる瞬間に、庭師のジャルドが部屋に飛び込んで来た。 セレの 「ポーダ・ブレニエ!」 と叫ぶ声が聞こえたからだ。それがどんな魔法なのかは彼には分からなかったが、嫌な予感がした。 「セレ様!」 倒れかかったセレの身体を抱きとめた。 「…どうせ長くは保たない命だ…良かった…」 そう小さく呟いてセレは意識を失った。 みるみる血の気を失って行くセレを見て、庭師は只事ではないと感じた。 セレをベッドに横たえるとヴァシュロークの元へと走った。
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