第一章・曖昧な職員たち

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日が沈み街を夕陽が照らす頃、無事に納品も終えた二人。 「依頼達成おめでとう。お疲れ様~」 カンパニーに戻ってきた二人の報告を受け笑顔でそう返すのは、総務課の受付嬢「ヒーリア・エレクセン」。 ピンクブロンドの髪をサイドテールで束ね、カンパニーの制服である紺色のベレー帽を被っている……そんな彼女は、容姿だけでなく声も可愛いことで評判。新人ながら、既にファンも多いのだとか。 フェンも受付はするが、受付は総務課の仕事である。一応仕事はこなすし態度もさすがにちゃんとするのだが、それ以上のことはしない。簡単に言えば、フェンにはファンはいない。 「ありがとうございます、ヒーリアさん」 「それにしても、採取もある仕事なのに採取課が帯同しなかったんだね~」 「まあ、今回は簡単な依頼だったしねぇ」 ただの薬草を摘むだけならば、知識がある程度あれば一般人でもできることだろう。実際、薬草を摘めなくなって困ったという一般人からの依頼であったのだから。
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