第一章・曖昧な職員たち

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「おう、終わったか」 「あっ、カイトさん」 報告を終えると、カイトが現れた。 「久々の採取課らしい仕事はどうだったんだい?」 「いやもう、めっちゃ楽しかったよー! あたしを組み込んでくれてありがとうっ!!」 瞳をキラキラと輝かせるフェン。 「そうかい、そいつぁ良かったな」 「はい、おーごーり! おーごーり!」 「はは、元気なこった。でも、今日はまだ生憎と仕事でな。今度の休みでいいかい?」 「もっちろん!」 フェンとカイトが話している間に、マグナがヒーリアに話しかける。 「ふふ。あの二人、とても仲が良いですね」 「カイトさんは甘えられると弱いからね。『仕方ねぇなぁ』って」 「あ、今の声真似、結構似てました」 「え、ほんと?」 そんな他愛もない話をするマグナとヒーリア。 マグナは子供だと思われてしまうためヒーリアと違ってファンはいない。 しかしカウンターにいる彼女から見てみれば、下手な大人よりずっとしっかりもので、節度もあることがよくわかる。 特にフェンのようなダメな大人が側にいるなら尚更のこと。 だから、あくまで窓口業務中であるからあまり話し込むことはできないが、少しだけヒーリアもマグナとこうして話したりするのだ。
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