第一章・曖昧な職員たち

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マグナがヒーリアと話している間。 「……で、どうだったんだい」 「なにがぁ?」 「マグナの様子さ。気になってたんだろ?」 「……んん……まぁ……そうねぇ」 カイトとフェンは、マグナに聞こえない程度に離れた場所でそんな話をしていた。 日が沈み、夜になったばかりほどの時間。夕飯時だからか、それともたまたまなのか。ここには人は四人以外にいなかった。 「一年前だったか。お前さんがクエスト中にあの子をカタコンベで見つけたのは」 「一年と少し前くらいかなぁ」 そう言いながら、二人はマグナの小さな横顔を眺める。 「記憶喪失……だが、忘れているのは自分の生まれのみで、名前や年齢、知識などは全て覚えたまま……」 どこか不自然だと、カイトは言いたいのだろう。 「でもさ、そのおかげで今は、自分で稼いで一人でも生きていけてるわけだから。別にいいんじゃないかなぁ」 「そういうもんかねぇ」
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